アイスホッケーというスポーツは、独特のスピード感とスコア展開の早さを持ちながらも、意外なほど引き分けが多い競技です。
特にNHL(ナショナルホッケーリーグ)では、60分間の正規時間で勝負がつかず、延長戦やシュートアウトに突入するケースが非常に多く見られます。
これは、両チームの守備の強さや、ゴールキーパーの好セーブが重なりやすいこと、そして得点が複数回動いてもなお互角に戻る展開が頻出することに起因しています。
試合中、どちらかがリードしてもすぐに追いつかれるような展開が多く、1点差を維持する難しさも影響しています。特に第3ピリオドの終盤には、負けている側がゴールキーパーを下げて6人攻撃に出ることが多く、ラスト数分で同点に追いつく試合も決して珍しくありません。
こうした展開を見越して、最初から延長戦突入の可能性を視野に入れてベット戦略を立てることが、アイスホッケーでは重要になってきます。
アイスホッケーの試合が延長戦やシュートアウトに突入した際、勝敗を左右する最も重要な要素の一つが、「切り札となる選手」の存在です。
これは単に得点力が高い選手というだけでなく、プレッシャーのかかる場面で冷静にゴールを狙えるメンタル、そして瞬時に状況を判断できるゲームセンスを兼ね備えたプレイヤーのことを指します。
たとえば、延長戦では人数が3対3に減るため、1人の能力が試合の行方を大きく左右します。スピードに優れ、相手ディフェンスを置き去りにできる選手や、ゴール前での決定力に長けたフォワードは、そのまま勝利をもたらす存在となります。
こうした選手が1人でもいるかどうかで、延長戦に入った際の勝率が大きく変わるため、あらかじめ“延長戦の主役”になりうる選手を把握しておくことは、非常に重要です。

延長戦やシュートアウトに強いチームを見極めるには、試合前のデータだけでなく、「試合中の流れ」を観察することも欠かせません。アイスホッケーは非常に流動的なスポーツであり、1ピリオドから3ピリオドまでの展開によって、延長戦に入ったときの心理的・戦術的な優位性が大きく変わってきます。
たとえば、リードされながら粘り強く追いついてきたチームは、勢いをそのまま延長戦に持ち込むことが多く、メンタル面での優位性があります。
一方で、終盤に同点ゴールを許して延長に入ったチームは、精神的なショックを受けた状態でプレーするため、守備が消極的になったり、判断が遅れたりする傾向が見られます。
こうした試合の背景を読み解くことで、「延長戦に強い状態」にあるのはどちらかを見極めることができます。
また、ペナルティの多さにも注目すべきです。反則が多いチームは、試合終盤に疲弊しやすく、延長戦に入ったときに思うようなスケートができなくなっている可能性があります。
逆に、フィジカルに余裕を残して延長を迎えるチームは、3対3のスペースをより効率的に活かせるため、有利な状況を作りやすいのです。